AI・非認知能力時代の求める新しい経営学 理工系総合大学だからこそできる文理共創の経営学の強み

1.時代変化による経営学の学問的要請に対する東京理科大学  経営学部の発展の魅力
全国的に大学の経営学部を取り巻く社会的・産業的環境が急激に変化している。ChatGPTの登場により、人工知能(AI)は新しい時代をむかえ、また、Web3.0時代になり、NFT等が、医療分野、教育分野、金融分野、マーケティング分野等のビジネスを急激に変化させている。本学部は今年創設30周年を迎えており、創設された1993年から、理工系総合大学であるからこそ持つ知識の体系を生かし、数量的・実証的アプローチを積極的に活用して、文系・理系の枠組みを超えた新しい視点に基づく経営の理論と技法を教育・研究している。更に、AIやVR・AR、メタバース等の最新技術がハイスピードで開発され続けている中、それらの技術をビジネスにどのように利用できるのか、それによってビジネスの世界がどのように変わっていくのかを理解できる文理両方の視点を持った人材を育成することは非常に重要である。そのことを理解できなければ、このDX時代に成功するビジネスを真に推進する人材になることは難しいからである。
経営を科学することに応え30年前に経営学科が、ビッグデータの時代に応え2016年にビジネスエコノミクス学科が、先の見通せない難しい問題解決をしなければならない時代に応え2021年に国際デザイン経営学科が、時代の要請に応え先進的に創設され、それぞれに適した学問を推進しカリキュラムを整えてきた。まだ卒業年度を迎えていない学科もあり、いまなお発展し続けている。

2.経営学科(MS学科)
30年の歴史があり、経営戦略、会計・ファイナンス、マーケティングを学び、経営を俯瞰して捉え、戦略を立てられる構想力を開発し、解析により実証をしながら科学的経営のできる経営のプロフェッショナルを育成している。

3.ビジネスエコノミクス学科(BE学科)
数理モデリングと人工知能やビッグデータを扱うデータサイエンススキルを学び、企業経営に必要不可欠な経済理論を基礎に、ゲーム理論、オペレーションズ・リサーチ、金融工学などのデシジョンサイエンスによる解析・創出の力を養い、企業意思決定のスペシャリストを育成している。

4.国際デザイン経営学科(ID学科)
「デザイン」の観点からビジネスを捉える力「デザイン思考」「デザイン経営」と「デジタル技術」を用いて問題解決に繫がるプロダクトやサービスの開発能力を養い、共感力と論理力の高い「国際」的なイノベーションリーダーを育成している。

5.理系から迫る文理融合型の経営学の強み
最後に、従来の文系から迫っている経営学とは異なり、理系から迫っている文理融合型の経営学の強みを示しておく。経営の分野のどのくらいの領域について、数理的なモデル、機械学習的なモデル等に基づいて、精度の良い経営学的な予測や知識発見等を行うことが可能になるであろうか?その領域が増えていき、しかも、きちんとした解釈が可能となれば、理系から迫る文理融合型の経営学の強みと可能性が増してくる。

6.未来を担う高校生の経営学部への進路選択へのアドバイス(理窓会の皆様へのお願い)
数学が得意な高校生はとても多い。そのときに従来の考え方であれば、理工系、情報系、あるいは医学系への進路を考えるケースが多かったと考えられる。しかし、高度な技術が急激に発達してきた現在の社会で活躍するには、理数的な力を持った上で経営学を学ぶことが、社会の情勢を的確に把握でき、予測・検証・解決型の経営学を身に付けることに繫がる。数学が得意な高校生の皆さんには、ぜひ経営学部を一つの選択肢として良く考えて欲しい。そして理窓会の皆様にも、社会のこの急激な変化に対応するために、“理系”“文系”だけでない、時代の要請にいち早く応えて学問を進化させている第3の“文理融合型”の学部の存在価値を周りの高校生の皆さんに、お伝えいただければと思います。

この経営学部30周年特集記事の詳細は、
科学フォーラムの437号でご覧ください。
URL https://www.tus.ac.jp/d-pam/forum/2023/10/

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