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- 卒業生, 理窓 2018年5月号
- 時には直感やご縁といった不思議な力に身を任せる
時には直感やご縁といった不思議な力に身を任せる
- 2018/5/19
- 卒業生, 理窓 2018年5月号
私は現在、地元である徳島の地にて、大塚ホールディングスでCSR(企業の社会的責任)を担当しています。CSRの仕事を担当して2年が経ち、社会人になってちょうど20年が過ぎました。
大塚製薬に新卒MR(医薬情報担当者)として入社後、人事部で採用を担当し(採用担当時は、理科大の神楽坂や野田キャンパスに会社説明会でお邪魔させていただいたこともあります!)、役員秘書や企業理念の研修担当の仕事を経た後、現在にいたっています。楽しみつつも、もがき苦しみながら実験や研究をしていた学生時代の自分では想像もつかない多くのことを入社以来経験しました。
高校卒業後、徳島の片田舎から徳島市を飛び越え、いきなり東京に出て来てしまいましたので、当時は、入学式の時点から戸惑うことばかりでした。テレビで見たことしかなかった日本武道館で入学式が行われ、その日のうちに長万部に旅立って行った基礎工学部の同期を訳も分からず見送った光景は今でも脳裏に焼きついています。化学と数学が好きで、ご縁あって製薬学科に入学し、マイクロカプセルへの興味から研究室は薬品物理化学教室を選択しました。4年時は理科大内でマイクロカプセルの物性研究をしていたのですが、大学院時代は恩師の牧野公子先生の勧めで、東京女子医科大学で研究するチャンスをいただきました。ポリマー重合から血小板とマイクロカプセルの相互作用まで、幅広い経験を積むことができたこと、他大学や企業の方とも研究を通じて知り合うことができたのも、女子医大で研究する機会をいただいたお蔭だと感じています。
「せっかくのご縁だし、好き嫌い無しで、とりあえず一度はやってみるか!」これまでの人生、私はいろいろなご縁に導かれ、自分では思いもしないような環境や職場にも巡り合い、時には、その分野の経験が全く無いばかりか、興味すら無かったということもあるのですが、いただいたご縁に正面から向き合い、粘り強く取り組むことで何かが生まれ、次の道が開けていく……。
もちろん、自分の想いや興味に正直であることは大切ですし、将来を設計することも大事なことなのですが、世の中は計画通りに行くことばかりではありません。この先、いろいろな世界に羽ばたいていく理科大生の皆さまには、時として直感やご縁といった不思議なチカラに身を任せてみるということも、頭のどこかにとどめておいていただければと思います。もちろん、いただいたご縁には誠実に取り組むということも忘れないでくださいね。