特別企画 理科大発ベンチャーとは? TUSIDEとは? 東京理科大学URAに聞く、「理科大発ベンチャー」の支援と推進について

コロナ禍の“出口”が見え始めた今、2023年の日本を明るく照らす企業として「理科大発ベンチャー」を紹介する。日本のDXを加速し、さらなる変革をもたらすスタートアップ企業を生み出している「東京理科大学産学連携機構(URA)」を取材。本学が得意とする理系人材への教育研究をベースにした、新時代を切り拓く大学発ベンチャーの支援内容や制度などを聞いた。

1 大学発ベンチャーの役割
今、スタートアップが注目されています。岸田首相は昨年、「本年をスタートアップ創出元年とし、戦後の創業期に次ぐ第二の創業ブームを実現する」とし「スタートアップ育成5か年計画」を公表しました。数値目標として、5年後の2027年度にスタートアップへの投資額を現在の10倍の10兆円規模に、また将来においては、ユニコーンを100社創出し、スタートアップを10万社創出することを目指しています。このような中、大学は優れた技術シーズを持ち、また学生を含めて才能ある若手人材が豊富にいることから、大きな役割を期待されています。
大学発ベンチャーの特徴として、大学の研究成果や知的財産を基盤にした新規性の高い製品・サービスを提供することで、社会・経済にイノベーションをもたらすことがあります。本学としても、このようなベンチャーをできるだけ多く生み出すことができるよう支援体制を整えています。

2 大学発ベンチャーの企業数
毎年実施されている経済産業省「大学発ベンチャー実態等調査」においては、ここ2年本学は全国7位、私立大学では2位となっています(図❶)。また、ベンチャー数も2022年度は前年度から25社増加して151社となりました。このような背景もあり、ベンチャーにおいては、首都圏では東大、東工大、早稲田、慶應と並んで注目される大学の一つとなっています。
本年2月に東京都主催で世界67か国から約2.7万人が参加した初のスタートアップグローバルイベント「City-Tech Tokyo」が開催されましたが、本学は東京都からの求めに応じこれらの大学と共に出展する等、東京都からも大学発ベンチャーに関しては主要大学の一つとして期待されています。

3 理科大発ベンチャーの企業紹介
本学発の代表的なベンチャーを以下に紹介します。いずれも研究成果を基に創業したベンチャーで、今後の社会の発展に寄与する活躍を期待しています。(図❷、❸、❹)

4 理科大発ベンチャーの支援内容
理科大発ベンチャー及び起業を目指す教員・学生に対しては、図❺の内容の支援を行っています。まず、認定ベンチャー制度ですが、3で紹介しました㈱イノフィス等、図❻記載の8企業、NPO1法人を支援対象として認定し、「東京理科大発ベンチャー企業」等の称号授与、本学施設の貸与等の支援を行っています。東大をはじめ称号授与には慎重な大学も多いのですが、本学については積極的に行っており、特に昨年度認定ベンチャー制度を拡充し学生も対象としましたが、これは全国的にも数少ない例となっています。次に教員向けの起業助成金制度と学生向けの起業推進支援助成金制度ですが、いずれも起業を目指す教員・学生に対して、前者は総額1000万円、後者は1人上限30万円を支援するものです。両者とも本学独自の制度で、このように資金面において大学独自の財源で支援している制度も他大学ではあまり見られないものとなっています。

昨年度発足した産学連携機構は、新たなミッションとして学生の起業家教育にも取り組むこととしました。そこで昨年度は、単位外プログラムとして「ビジネスモデル創造入門」講座を創設、機構のURAが講師となりチーム形式で事業アイデア創出を行なうワークショップを主体に実施しました(図❼)。今年度は、起業マインド醸成セミナー等の起業家教育講座をより充実させ、実施回数も増やし、また法務セミナー等より幅広い分野のセミナーを増やすことを計画しています。
産学連携機構で起業支援を担当するのは、主に部門長を含め3名のURAと2名の事務職員です(地域連携業務も兼務)。少ないリソースをカバーするため、機構の他部門をはじめ、外部機関とも積極的に連携しています。関連会社のTUSIM、TUSICとベンチャーエコシステム「TUSIDE」を構築して連携している他(図❽)、新宿区、葛飾区、日本政策金融公庫、東京司法書士会等と共催でセミナーを計画・実施しています。今後も税理士等連携先を増やすことで、起業家教育講座を充実させていく予定です。

5 卒業生へのメッセージ
最後に東京理科大学の卒業生の皆様へメッセージですが、まずは理科大発ベンチャーを積極的にご支援いただければありがたいと思います。実業界の様々な分野でご活躍されている卒業生の皆様に少しでもご支援いただけましたら、理科大発ベンチャーにとっては大きな力になりますので、よろしくお願いいたします。
また、起業は若い世代が行っているイメージがありますが、実際には30代~50代の方が中心です。技術シーズを持った卒業生の皆様も多いと思われますので、ベンチャーの世界でも理科大の卒業生が広くご活躍されることを期待しております。

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