- Home
- 大学, 理窓 2021年5月号
- 140周年記念記事No.2 TUS NOW
140周年記念記事No.2 TUS NOW
- 2021/5/1
- 大学, 理窓 2021年5月号
理科大の主な5つの取り組み
TUS 5 ACTIONS
“Building a Better Future with Science”の精神とともに、さらなる発展へ。
未来を見据えた「現在の取り組み」を紹介します。
ACTION N0.1
実力主義の伝統に基づく教育基盤強化
学部・学科の再編
大学を取り巻く環境が大きく変化している中で、社会の持続可能な成長に貢献するために本学が果たすべき教育研究上の役割・使命を踏まえ、学部・学科の再編を計画しました。国際化のための新たな教育拠点を構築するとともに、先進・融合領域で新たな価値を創造し、学際的かつ横断的な教育研究を推進する組織を設けるなど、多様性や機動性を確保した組織となることを目指します。
教育支援・教育研究設備の整備
2018年、神楽坂キャンパスでは、「アクティブ・ラーニング教室」を新設しました。能動的な学習ができるようフレキシブルに形を変えられる机や椅子、電子黒板機能付プロジェクターなどアクティブ・ラーニング型授業の効果や効率を高め、魅力的な授業を展開するための充実した学習環境が用意されています。野田キャンパスにおいては、2019年に「7号館NRC(Noda Research Campus)教育研究センター」、2020年に「新実験棟(21号館)」を新設するなどハード面のさらなる充実化を図っています。また、さまざまな人が分野を超えて交流できるように中庭を整備したほか、「上島珈琲店東京理科大学野田キャンパス店」や談話室を設置するなど、キャンパスライフ向上にも力を入れています。葛飾キャンパスでは、2025年に予定される野田キャンパス薬学部移転に伴い、新校舎の新設を進めており、学外機関との連携を強化し、さらに高度な教育と先進的な研究を推進します。また、本学の教養教育の持続的な発展を目的として、2018年には「教育支援機構教養教育センター」も開設しました。
With/Afterコロナ時代における学生への教育
コロナ禍においても「学びを止めない」ために、非同期遠隔授業(オンデマンド型)と逐次性を生かした同期遠隔授業(同期型)の2つを、授業ごとの学修目標に合わせて導入しました。そのために必要なオンライン学修環境の構築を開講までに整備。学修支援セミナーを実施するとともに、自身で機器を揃えられない学生を対象にPC、タブレット、モバイルWi-Fiルーターの貸し出しも行っています。この機会に、より実質的で実践的な教育を目指し、オンラインによる遠隔授業への環境整備を一気に進め、対面授業と遠隔授業を融合。本学が伝統として自負する実力主義教育のもと、学生がSociety5.0で必要となる実空間と情報空間を一体として捉える力を獲得し、社会的課題を科学の力で解決していく有為な人材となるための取り組みを進めていきます。
ACTION N0.2
未来を切り拓くさらなる研究の推進
大学院教育の充実
7研究科30専攻を擁し、理学・薬学・工学などの高度な理論・応用の研究が行われ、各分野で卓抜した研究拠点を形成している本学大学院。大学院生の国際化を支援するため、海外の学会に参加する際の旅費の補助や、海外の大学・研究機関への交換留学制度を設けています。さらに、学際的な学問分野に対応できるように、最新の設備・機能を有する外部研究所などと教育研究協力を行う「連携大学院方式」を私学で初めて導入しています(1996年より)。
Society5.0時代に向けた取り組み
データサイエンスに対する社会的ニーズの高まりを受けて、2019年4月にデータサイエンスセンターを設置しました。本センターは、国内外との連携を基盤にレジリエンスでグローバルな視点からデータ科学を推進(GDS)し、SDGsの実現に貢献していきます。また、学部生・大学院生を対象とした学部・研究科横断型の「データサイエンス教育プログラム」も2019年度からスタートさせています。
ACTION N0.3
時代の要請に応える新しい社会課題への挑戦
防災研究で安心安全を
すべての人が安心して暮らせるまちづくりの実現に向けて、学問分野を横断した最前線の防災研究を進めています。地震の多い日本において、より安全性の高い建築物をつくるために、「地盤」「建物」の両側面からそれぞれの揺れの関係性を分析。他にも、火災に関するあらゆる実験が可能な巨大施設「火災科学研究センター実験棟」を利用した、排煙設備の高性能化実験などを実施しています。本学の防災に関する研究は、国の法律や規制にも反映されています。
未知なる宇宙の開拓へ スペース・コロニー研究センター
宇宙開発において欠かせない、極限的な閉鎖環境で人間が長期間滞在するために必要な衣・食・住を中心とした技術の研究開発拠点として設立されました。地上でも有用な宇宙滞在技術の高度化を実現し、これらを本学と連携する民間企業に移転することで、技術の社会実装に加え、災害に強い住宅による日本の国土強靭化、食糧問題の解決などにも貢献していきます。
研究の事業化を推進
本学では、研究分野の強みを生かし、研究の事業化を推し進めています。研究戦略・産学連携センターによる専門的なサポートのほか、2018年には大学発スタートアップに出資する総額100億円規模のファンドを立ち上げ、資金面での支援も充実させております。こうした支援体制のもと、株式会社イノフィスをはじめ多くの有力なスタートアップが育ってまいりました。その結果、2019年度のスタートアップ数ランキング(※経済産業省による発表)は、前年比3倍に企業数を伸ばし、私立大学5位(全国20位)となっております。
データサイエンスを駆使した社会貢献
日進月歩のデータサイエンス分野において、AI(人工知能)やデータマイニング、機械学習、ディープラーニングなどの技術を駆使しながら、最先端の研究を展開しています。人の顔画像から疲労度を予測するコンピュータや、部屋の家具レイアウト画像から災害時に危険な箇所を判定し、安全なレイアウトを自動的に作成してくれるシステムなど、多彩なアプローチで人々の暮らしに貢献することを目指しています。昨今では、新型コロナウイルスの感染拡大予測など、数理モデリングを用いた研究も行われています。
QOLの向上に寄与する
世界の医学が、がん撲滅と予防医学の充実に向かっている現在。本学では、さまざまなホルモンを分泌し、その質に善し悪しがあることが明らかになった「脂肪」のメカニズム解明に向けた研究や、「免疫」の解明を通してがん・アレルギーを治す研究などを行っています。培ってきた学術研究基盤を活かしながら、私たちの寿命と健康寿命を延ばすための各種研究を進め、QOL(Quality of life)の向上に寄与します。
COVID-19の研究/創薬で命を守る
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、本学では研究推進機構 新型コロナウイルス感染症関連研究タスクフォースを立ち上げました。ワクチン開発や抗体などを利用した免疫療法および、革新的医薬品等の開発を下支えする基礎研究を積極的に支援。医療施設を有し、高度の感染実験を行える外部関連研究機関とのネットワーク形成も積極的に進めながら、研究を深化・発展させていきます。
ACTION N0.4
世界を見据えた国際競争力の醸成
留学生にもっと選ばれるTUSへ
本学では外国人留学生の受け入れを積極的に推進しており、宿舎情報等の提供や在留資格認定証明書の取得支援、各種奨学金の紹介(正規生対象)など、さまざまな支援を行っています。日本へ留学を希望する外国人留学生に向けて、大学の広報を強化。外国人留学生に勧めたい大学として、「日本留学AWARDS 2020」の東日本地区私大理工系部門で大賞を受賞しました。
海外大学・研究機関とのダブルディグリー
海外大学・研究機関との連携強化に努め、2020年5月1日時点で79大学・4機関(30か国)と協定を締結しています。必要条件を満たすことにより、本学と派遣元大学それぞれから修士または博士の学位を取得できる「ダブルディグリープログラム」も提供しています。
ACTION N0.5
地域に根差した社会連携の強化
社会連携講座制度を新設
本学と連携機関が一定期間継続して特定の課題や専門分野に関する教育研究の推進・充実を図り、人材育成を活性化させ、学術の推進および社会の発展に寄与することを目的として、2020年4月1日付けで「社会連携講座制度」を創設しました。「研究」および「教育」の双方の機能を活用し、契約に基づく組織間の多面的な共同研究を推進します。
新たな社会人教育・リカレント教育拠点の開設
実務的で社会人として有用な知識や技術を習得できる「社会人教育・リカレント教育」の場として、2018年に東京理科大学オープンカレッジを開設しました。本カレッジでは、生涯現役であり続けたい方や社会人としての知識、見識を高めたい方、豊かな教養を身に付けたい方を対象とした有意義な講座を用意しています。
地域社会に向けた「知」の還元・交流
・近代科学資料館(神楽坂キャンパス)
・数学体験館(神楽坂キャンパス)
・なるほど科学体験館(野田キャンパス)
東京理科大学HPの祝140周年記念サイトから、要旨を紹介しています。前回は、21人の創立者、140年の歴史、時代を拓いた先駆者達を掲載しており、本理窓5月号では、TUS NOWを紹介します。 詳細は、https://www.tus.ac.jp/140/ からご覧ください。 |