第24回 坊っちゃん賞を受賞して

2005年 妻の花粉症完治時の記念撮影

忘れ難き創薬ロマン  中島 勝明(薬・製薬1967)
驚くべき事に、私達は60kg程度の体重で「計り知れない機能」を発揮する事が出来ます。それは血液・血管並びに神経と言う「驚異的な臓器」を体内に備えて居るからです。例えばAIを駆使したロボットに代役させたとしますと、国会議事堂並みの巨大ロボットでも間に合わないと思います。従いまして、血液・血管並びに神経機能が損なわれますと、誠に不自由な生活を余儀なくされるのです。そこで私は過去30年間(1970年~2000年)に、「血液・血管の機能障害に基づく諸疾患」の治療を目的とした3種の新薬創製に努めて参りました。幸い、その功績が認められまして「第24回坊っちゃん賞」を頂く事になりました。
創薬現場を離れた後、2005年に「妻の酷い花粉症」を完治させる事に成功しました。そうです。血液機能関係で遣り残しました「免疫機能」に関する創薬の機会に恵まれました。
現在78歳を迎えましたが、“創薬ロマン”の赴くままに、未だ解決に至らない「リュウマチやアトピー性皮膚炎」など、白血球の機能異常が関与している難治性諸疾患の完治療法を目指して居る次第です。
妻はその後、スギ花粉抗体を保持して居るにも関わらず、スギ花粉の飛散時期を迎えましても、花粉症状を発症する事が無く、根治状態に至って居ります。


災害と廃棄物  阿部 勝彦(理・化1980)
今回の受賞は、宮城県職員として2011年東日本大震災の最大被災地であった石巻地域での800万トンにのぼる災害廃棄物処理の実績や現在の国立環境研究所客員研究員としての災害廃棄物に係る活動(国の委員や震災時に頂いた全国からの支援等に恩返しとして行っている講演・研修の講師)等を評価していただいたものと感謝しております。
近年、過去に経験したことがないような豪雨や地震等の災害が毎年のように起き、大量の災害廃棄物が発生しています。こうした災害廃棄物の処理は「復興の一丁目一番地」と言われ、がれき等の災害廃棄物が片付かなければ市民生活の再建もありません。ひとくちに災害廃棄物と言っても、発生場所や地域、時期等が違えば性状、組成が異なり、処理方法も違うのが現実です。災害廃棄物による二次災害を防止しつつ早期に被災者の方々の周りから、それらを片付けなければなりません。
私は公務員として、このような目の前の任務に地道に取り組んできましたが、同窓の方々にこのような評価もあるという例として励みになれば幸いです。
最後に、現在多発している豪雨災害や将来起こるであろう南海トラフ地震等への備えに、こうした災害廃棄物処理の経験やノウハウが求められており、全国の皆様にこれらをお伝えし、災害に対するレジリエンス構築の一助となるよう今後とも努めて参りたいと思います。


未来に向けてさらなる挑戦!!  岩澤 健二(理・数1984)
岩手県といえば童話作家の宮沢賢治が有名ですが、発音が少し似ている北海道出身の岩澤健二です。「第24回坊っちゃん賞」を頂き大変光栄に思っています。私は3年前に世界最高峰エベレストに登頂することができました。幼い頃に父と登った道内の山をスタートに、本大学山岳部の一員として本格的に山の素晴らしさを実感できたことがベースになっての登頂であったと感じています。
卒業後は縁あって、岩手の公立高校教員として、競技としての山岳部の指導に邁進し、インターハイ、国体等で優勝、入賞を果たすことができました。そして、退任式では、全校生徒に「エベレスト挑戦」を約束しました。しかし、登頂は簡単なものではなく、辛い体調不良の中、何度も諦めかけました。最終的には多くの方の支えにより頂上を踏むことができました。
生徒にも「自分の夢に向かって一歩踏み出すことの大切さ」を伝えられたのではないかと思っています。
今後はエベレスト登頂で得たことを生かして北米デナリにも挑戦し、五大大陸最高峰の制覇を目指します。また、県内の高校山岳部員に海外遠征を経験させることにより次世代が活躍できる人材育成に貢献できればと考えています。さらに、講演会や報告会等を通じて多くの方々に山の素晴らしさと環境保護等の大切さを伝えていければと思います。

関連記事

ページ上部へ戻る