理窓会記念自然公園エンサイクロペディア NO.3 理窓公園の価値と活用状況

 東京理科大学では、創域理工学部生命生物科学科の朽津和幸教授が中心となって、「地域と連携した湿地再生の取り組み」を行っています。朽津教授は、理窓公園の価値について「貴重な里山環境と、国内最先端の研究・教育施設がセットになって、しかも東京から近く、駅からも徒歩圏内に存在していることが、何よりすばらしいと思います」と語ります。
2017年9月には、日本植物学会の大会が野田キャンパスで開催され、日本全国から1,000人を超える研究者や学生が集まりました。大会では、植物科学と社会との関係を考える公開講演会や、本学近代科学資料館、国立科学博物館、茨城県自然博物館等とも連携した公開展示なども行われ、プログラムの最後には、高校生、大学生、地域住民、植物学会員が一体となって理窓会記念自然公園を散策するツアーも開催されました。地元の市民団体「利根運河の生態系を守る会」の新保國弘さんは、こう語ります。「理窓公園には、数多くの野鳥をはじめ、貴重な動植物が数多く生息しています。今後も理科大の先生方や学生さんたちと協力して、この豊かな自然環境を守っていきたいですね。」

本学野田キャンパスが日本生態系協会賞を受賞
理窓会記念自然公園は、創域理工学部生命生物科学科(旧応用生物科学科)、社会基盤工学科(旧 土木工学科)、創域理工学研究科農理工学際連携コース等における研究・教育、東京理科大学サイエンス夢工房、東京理科大学オープンカレッジ、セミナーハウス地域公開講座、グローバルサイエンスキャンパス等で活用しています。2014年以来、国土交通省、野田市、流山市などの行政、利根運河の生態系を守る会など、地域の方々等の協力も得ながら、朽津教授を代表とする本学の教員や学生団体RiSO Rangerらが理窓公園内の湿地再生・環境保全活動を進めて来ました。2017年度からは、野田市や流山市の主催により、創域理工学部生命生物科学科の朽津和幸教授らが講師を務める生物多様性講座も開催されています。2019年には、理窓公園に多く残されている絶滅危惧植物キンランをテーマとしたシンポジウムと観察会も開催されました。
理窓公園は、関東平野に広く分布していた谷津の景観が保全され、希少生物の生息の場ともなっています。教育研究の拠点の隣接地にこれだけ豊富な自然が残されている例は、全国的にも少なく、注目を集めています。このほど、こうした活動が認められ、公益財団法人日本生態系協会主催の全国学校・園庭ビオトープコンクール2017において、東京理科大学野田キャンパスが日本生態系協会賞を受賞しました。授賞式は、2018年2月11日(日)に東京大学で行われました。代表の朽津教授とRiSO Rangerの学生たちが、受賞内容について発表を行い、多くの参加者と活発な質疑応答が行われました。

創域理工学部 農理工学際連携コースにおける理窓公園の教育や学術研究への活用
創域理工学部 創域の芽プロジェクト「野田キャンパス理窓会記念自然公園における環境教育」
伊髙静助教(経営システム工学科:旧 経営工学科)と朽津教授が中心となって、多くの学生や一般市民が参加して、理窓公園において、「ナラ枯れを事例に森林管理について考えよう」「ナラ枯れ防除研修」「ドローンで森を測る」などのイベントや実習が行われています。

「理窓公園を活用した、絶滅危惧植物からの有用物質の探索と栽培化・有用物質生産の試み」
理窓公園における環境保全活動の結果、準絶滅危惧種タコノアシなどの、地中に種子として眠っていた植物の生育が復活してきています。こうした絶滅危惧種から、有用物質(例えばフラボノイド類など)を探索・精製し、その生理活性を調査する研究も計画されています。

理窓会記念自然における最近の野外授業の例
日光植物園の舘野正樹先生をお招きして、理窓公園内の林で植物の生き様を学びました。

NHKの道草散歩にも出演されているフリーランスの生態学者多田多恵子先生をお招きして自然の中の植物を観察しました。マムシグサを解体して、「ワーッ虫がたくさん入ってる!」ウグイスカグラを見て、「私も食べる〜おいしい〜!」「100均のレンズすごいでしょホラホラ見て見て!」などと、たいへんお茶目でステキな方でした。一つ一つの草花にエピソードをそえて、興味深い話をたくさんしてくださいました。学生たちも「植物を見る目が変わった」などと話していました。

 

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