ガラスを他材料と複合化し高機能材料を創成する

研究内容

ガラスは、はるか昔から窓や容器に使われている透明で美しい材料ですが、優れた光・化学・機械的機能も持っています。光通信システムやディスプレイ、あるいは医薬・化成品は、ガラスが無ければ製造することができません。私たちは、このガラスの持つ多様な機能を進化させると共に、他の材料とも複合化することで、エネルギーや環境、バイオ・医療分野などで役立つ高機能な材料の創製を目指しています。

研究例1
機能性ガラスの開発

光・組織・形態を制御した機能性ガラスの開発

酸化物ガラスの中で、シリカ(SiO2)を主要構成成分とするケイ酸塩ガラスは、光学的特性、化学耐久性、熱・機械的特性、成形性にすべて優れた材料です。一方、ガラスは様々な機能性物質(ゲスト)を取り込んで、その機能を高めるホスト材料としても優れています。例えば、遷移金属イオンが入ったガラスは美しい色のガラスとなり、実用性と芸術性が両立した材料となります。私たちは、ガラスの発光を利用したガラス中の応力歪の予測、発光色による酸化還元センサー、血中ガン細胞を捕捉するガラスビーズフィルターの開発研究を行っています。また、ガラス中に結晶を析出させた結晶化ガラスに注目し、その結晶化機構の解明および透明性と強靭性を兼ね備えた機能性ガラス材料の開発を行っています。

研究例2
光機能材料の開発

光触媒と異種材料を複合化した光機能性材料の開発

チタニア(TiO2)を代表とする半導体光触媒は、本多-藤嶋効果としても知られる光触媒反応を利用した材料で、日本人が発見した素晴らしい技術です。現在は、主にチタニアの光触媒反応による酸化・還元作用を利用した防汚効果、抗菌・殺菌効果、汚染物質の分解などの機能を発現する材料が開発され、幅広い分野で実用化されています。この光触媒技術が応用できる分野は、さらに広がりつつあります。
私たちは、この光触媒とガラス、粘土鉱物など別の機能を持つ物質を組み合わせることで、水や空気に含まれる汚染物質の吸着と光分解、セルフクリーニング性を有する表面など様々な機能性複合材料の創製にチャレンジしています。一方、光触媒の光によって親水化する機構を利用した海洋分解性プラスチックの開発プロジェクトに参加し、光触媒の新しい応用展開を目指して研究をしています。

研究室メンバー

ガラスの型流し作業

教授1人、准教授1人、助教1人、大学院生10人(NIMS連携大学院1人)、学部生 8人、2021年度に開設された社会連携講座前田・安盛研究室(教授1人、学部生4人)と合同で研究室活動をしています。

 

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