東京理科大学創立100周年 理窓会記念自然公園

東京理科大学の創立100周年を記念して昭和55年(1980年)6月に開園。野田キャンパスの一角に拡がる13万㎡の広大な森で、春には梅、桜、夏には蓮、秋には紅葉など四季折々の彩りを愉しむことができます。谷津の奥にある「白鳥の池」には、冬にはマガモ、コガモ、オナガガモなどの水鳥が100羽近く飛来し、カワセミもよく見られ、時にはオシドリも入る野鳥の宝庫です。
※より詳しい情報は、P23からの「理窓会記念自然公園エンサイクロペディア」をご覧ください。

理窓会会長 増渕 忠行
東京理科大学(前身:東京物理学校)は明治14年(1881年)に創立され、長い歴史を有する母校は、昭和56年(1981年)に創立100周年を迎えました。
創立100周年に際しては幾多の記念行事が催されましたが、昭和53年より理窓会が中心となり広く卒業生をはじめとする多くの協賛者から寄付金を募り、3億1千396万円の募金を得て「東京理科大学創立100周年理窓会記念自然公園」(略称 理窓公園)を完成し、翌年、大学に寄贈しました。理窓公園を含む利根運河とその周辺の自然・生態・景観は、千葉県北西部最大の「豊かな水と緑の回廊(エコロジカル・ネットワーク)」を形成しています。
先輩達が40年前に将来を見据えて残して下さった、素晴らしい財産を大学と協力して維持して行く所存です。卒業生の皆様、是非一度理窓公園を訪ねて下さい。

創域理工学部生命生物科学科 教授 朽津 和幸
教育・研究施設に隣接し、貴重な里山環境を残した自然公園がキャンパス内にある意義は大きい!
「理窓公園」ここには昨今の都市化で失われつつある里山の豊かな自然環境が残されて、自然公園を整備されたことは、まさに先見の明のあるアイデアだったと言えます。理窓公園は都心に近く、駅からも徒歩圏内にあります。しかも、生物学などの教育・研究施設に隣接しており、日本中を探しても、他にあまり例のないすばらしい環境だと思います。このように貴重な、先輩たちが残してくださった貴重な宝物である自然公園の生物多様性を、さらに豊かにしようと始まったのが、私たち教員と学生が行政や市民団体の協力を得ながら進めている「湿地再生プロジェクト」です。池を掘り、水田を復活させ、少しずつかつての姿を取り戻そうと活動を進めており、新たに整備された魚道を通って利根運河から自然公園内にも魚が上がって来ています。また、希少種の植物も個体数を増やしてきています。自然に囲まれて勉強できるのが、野田キャンパスの魅力のひとつとなっており、野田市・流山市などとも連携しながら、地域の子供たちや一般向けの生物多様性講座などにも活用させて頂いています。学生たちには自然公園での活動を通して、環境保全や生物多様性の大切さを学び、卒業後も社会の中で生かしてもらいたいと思います。

利根運河の生態系を守る会会長 新保 國弘
12月や1月に運河駅から利根運河経由で理窓会記念自然公園の野鳥観察会を行うと、半日で45~50種もの野鳥に出会えます。こんなに沢山の野鳥が楽しめるのはエサとなる動植物が多いからと推察されます。植物は生薬の花イチヤクソウ等を含め500種を超える草花が生育しています。本自然公園の最大の特徴は地形です。つづら折れした谷津田跡が大小6つの池の形で畦道と共に残され、池の周りに明暗の山林、尾根林、斜面林、ススキ草原、ヨシ原等の自然環境がモザイク状に広がり、これらが赤道(あかみち)や水路でつながっていることです。利根運河開削前の明治14年陸軍作成の迅速測図と現在の地図を比較すると、理窓公園の谷津田は運河対岸の流山市東深井地区公園(古墳の森)周辺の谷津田と合流して利根川に注いでいました。筆者はこの谷津を東深井谷津と名づけています。東深井村の村民は、丘と水田が交々相混する美形な東深井の谷津田景観を、「九十九出張(くじゅうくでっぴょう)」と呼び、誇りにしていたと明治14年の陸軍民情調査『偵察録』に記録されています。

学生環境保全サークル RiSO Ranger
理窓公園の自然環境を守るため、日々活動しているのが「環境保全サークルRiSO Ranger(リソウレンジャー)」のメンバーたち。湿地再生の取り組みとして、池や水田の整備、動植物の生態調査などを「利根運河の生態系を守る会」「国土交通省江戸川河川事務所」と連携して実施しています。また理大祭などの機会に理窓公園ツアーを開催するなどの活動を行っています。
今年は、5月21日に田植えを行いました!参加した皆さんは歩き慣れていない田んぼの中でも懸命に田植えをして、サクサクと草刈り作業を含め進みました!

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