経営学部は、文系・理系の枠組みを超えた新しい視点から実用的な経営の理論と技法を教育・研究する

経営情報に関する問題、あるいは日常・社会の様々な場面で遭遇する「混雑現象」や「確率的事象」により生じる問題に対して、どのように対処したらより便利、快適になるのでしょうか。この問題に対するより効率の良い対処法を考えていきます。通常の手順としては、まずモデルを作成(モデル化)し、これを理論的に解析したり、コンピュータシミュレーションにより分析したりというアプローチ法で行う「実践的な研究」に取り組んでいます。

研究例1
学生のGPA(成績評価指標)の推移、得意科目、及び就職先分野に関する分析

図1 文系/理系傾向と学習能力

学生の成績評価方法として一般的に用いられているGPA(Grade Point Average)は、多くの大学で使用されている指標で、その学生が履修している授業科目ごとの成績をレターグレード(S, A, B, C, D)で表現し、それをグレードポイント(S=4, A=3, B=2, C=1, D=0)に換算し科目単位当たりの平均値を示したものです。このGPAが各学生の得意・不得意科目とどのような関係にあるのか、学年ごとのGPA推移と就職先分野とは何らかの関係があるのか、得意・不得意科目からその学生は文系/理系のどちらの傾向が強いといえるのか(図1)、文系/理系の関係とGPAとの関係はどうか、というようなことを主成分分析やクラスター分析により明らかにしようとしています。

研究例2
働き方改革による労働時間制度の変化と業績との関係性について

図2 制度導入の影響の判断基準例

本研究では、「働き方改革」により施行される弾力的労働時間制度(フレックスタイム制や裁量(みなし)労働時間制)の導入が、企業の業績や社員の思考にどのような影響を与えるかを重回帰分析やアンケート調査などを通して明らかにすることを目標としています。図2は、ある会社がみなし労働制を導入前n₁年間および導入後n₂年間で一人当たりの売上高がどのように変化するかの基準を定義した例です。その結果は、最終的には、例えば表1のように成功、準成功、失敗という判断で表現します。

表1 ある会社の導入効果判断結果例

3年生の能上ゼミの皆さん


[卒研生コメント]
小黒 泰平 株式会社 協和エクシオ(経営・経営 2009)

能上研究室では、ネットワーク上や実社会における待ち・混雑等を主要テーマとし、それらの課題点に対し各種分析手法を用いて、解決へ導くことを学びました。現在の私の仕事は専門職ではありませんが、研究室で学んだことは私が仕事をする上での基礎となっています。

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