- Home
- 大学, 理窓 2019年5月号
- 本学教員を責任著者とする論文が『Nature』誌のResearch Highlightsで紹介
本学教員を責任著者とする論文が『Nature』誌のResearch Highlightsで紹介
- 2019/5/15
- 大学, 理窓 2019年5月号
本学理学部第一部 教養学科 武村 政春教授を責任著者とする新規巨大ウイルス「メドゥーサウイルス」に関する学術論文(Journal of Virology, DOI : 10.1128/JVI.02130 -18, 2019)を、世界的な科学誌『Nature』がResearch Highlightsで紹介しました。
巨大ウイルスとは、2003年以降、世界中から分離報告がなされている、これまでのウイルスより粒子サイズ、ゲノムサイズが大きなDNAウイルスの総称で、主にアカントアメーバなどの単細胞真核微生物に感染します。起源は古く、私たち真核生物の起源にまでさかのぼれるとされているため、真核生物の起源や進化の研究に役立つと考えられています。
武村教授らは、日本の温泉地域の湯だまりにある枯葉や泥の混じった場所から、新しい巨大ウイルスを発見しました。このウイルスは、宿主であるアカントアメーバの一部を休眠状態にさせることから、見た者を石に変える怪物になぞらえ「メドゥーサウイルス」と命名されました。
京都大学化学研究所・緒方博之教授、生理学研究所・村田和義准教授らの研究グループと協力しながらゲノム解析・粒子解析を行った結果、真核生物と同じくヒストン遺伝子を5種類もつこと、真核生物に近く、巨大ウイルスの中でも比較的古い遺伝子を多く持つこと、カプシドを構成するタンパク質の数が同サイズのほかの巨大ウイルスよりも少ないなど、特異なゲノム構造・粒子構造を有することを明らかにしました。また、新科「メドゥーサウイルス科」を提唱できるほど新しい巨大ウイルスであることが明らかになったと共に、真核生物の起源・進化の解明に大きく役立つことが示されました。
論文タイトル : Medusavirus, a novel large DNA virus discovered from hot spring water
掲載日 : 2019年2月19日 Nature Research Highlights: