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時代を先回りする仕事
- 2018/8/31
- 卒業生, 理窓 2018年9月号
東京理科大学工学部建築学科卒業後、コロンビア大学大学院で建築デザインを学びニューヨークで活動開始。2003年の越後妻有アートトリエンナーレでアーティストに選出され帰国。2006年ライゾマティクス設立。アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブ(双方向)の作品や近年では都市開発や製品開発など、様々な分野を横断してものづくりをしている。広告賞を始め数々の賞を受賞。2018年グッドデザイン賞 副審査委員長。
[本人よりのコメント]
私達ライゾマティクスが今やっているインタラクティブな演出や表現は20年前には存在しなかった仕事である。仕事は時代とともに変化し、無くなる仕事新しく生まれる仕事の新陳代謝を繰り返して産業はできている。私がコロンビア大学を卒業した直後の2001年に当時住んでいたNYで起こったアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに建築を諦めた私は、2016年あたりからやり始めた建築と表現・テクノロジーが一体化する時代がまさか来るとは思わなかった。これから来ると言われている第4次産業革命も私は確実に来ると現場で感じている。インターネット登場以来様々なものが繋がり、横断することは当たり前になり、今まさにその「次」が来ようとしている。未来という不明確な言葉をあまり使わない私にとって、時代を先回りし、分野を横断し、新しい時代をつくる「先回り」が今全ての分野で問われているような気がする。テクノロジーは魔法ではなく、今までの産業が作り出してきた様々なものと同様「道具」として再定義する時代はもう来ている。