恩師との出会い ~大切な教えをつないでいく~

大学院修了後、2007年に文部科学省に入省しました。以後12年間、主に教育行政に関わり、直近では、新しい学習指導要領改訂に携わりました。
2019年に広島県府中市教育委員会に出向し、2021年10月から教育長として、行政面から市全体の学校教育、社会教育、文化財に関する業務に携わっています。
私自身、大学時代には学業と剣道に励みながら日々を過ごす中で、恩師から「あなたはなぜ学ぶのか、教養を身に付けるのか」と問われ、「自分の夢をかなえるため」とありきたりな言葉で答えたことを今でも覚えています。恩師からは「学業を通じて身に付いた教養は人生を豊かにする。だったら人生を豊かにしてみないか」という言葉をいただきました。なんとなくわかった気になり、とにかく何事にも挑戦し、失敗を糧にさらに挑戦する、そんな20代だったと感じています。今、40代に入り、その意味をだんだん実感するようになってきました。と同時に、世界を見渡すと予想もしなかったパンデミックや地球規模の気候変動問題など、予想のできない変化の激しい時代には、恩師からの言葉を私なりに解釈し、発展させて次世代につないでいかねばならないと思うようにもなりました。
今、教育長としての責任の重さを感じながら、これからの社会を牽引する子供たちに何を届けられるか、何を身に付けさせてあげられるかを一生懸命考え、日々奮闘しています。子供たちからもし、「なぜ勉強をするのか」と問われたら、今の私なら、「皆さんがこれからの時代を主体的に生き抜くため、これから生きていく上で、自身の可能性とチャンスを生かすため」と答えるでしょう。
東京理科大学での恩師との出会い、そしていただいた言葉は、今の私を支えてくれたものであり大切にしているものです。自分自身はまだまだ若者だと思っていますが、大切な教えを言葉にのせて次世代の人たちにつなげていきたいと考えています。

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