「世界の理科大」実現に向けて-理窓会代議員総会 東京理科大学理事長挨拶

*キャンパスの再構築、学部再編計画、キャンパスライフの質的向上
既に、今年2月に、計画の一端を公表させていただいていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、本学は全学的な学部の再編を計画しています。これは、先ほど述べた海外から学びに来る学生の増加に加え、AI、IoT、データサイエンス、ロボティクス、宇宙といった、今後の方向に対応しうる体制整備を行っていく計画です。

全体的な考え方としては、理事会は、TUS Vision 150達成のための課題として、“教育研究理念に基づくグランドデザインの構築”を行い、併せてキャンパスの再構築、学部再編計画、キャンパスライフの質的向上を図ります。

◎葛飾キャンパスには、2025年に薬学部を移転させるほか、基礎工学部を再編・名称変更し、応用物理学科と、新設学科を合わせた5学科体制とします。その際、基礎工学部の長万部利用は解消し、2021年から、葛飾において4年間、更には6年間の一貫教育を行える体制を整えます。
本キャンパスは、前述の再編計画に対応すべく、既に第Ⅱ期用地を購入し、新棟を建設する計画です。

◎続いて、野田キャンパスでは、理工学部の再編を行います。理学部、工学部との同一名称を解消し、社会にアピールする理工学部独自の学科、コースを設置する計画です。
本キャンパスについては、昨年、理工学部50周年記念事業として開始しました第1期再構築工事で新7号館及び学生実験棟の新築工事を実施しています。

◎神楽坂キャンパスにおいては、理学部の一部学科で再編を行うほか、経営学部に新学科、もしくは新コースを設置する計画です。
また建築学科等の研究室と併用する形で、神楽坂キャンパス初の学生寮として、「TUSドミトリーⅠ」を開設しました。ドミトリーⅠは神楽坂キャンパスのすぐ裏にあり、飯田橋駅からも近く、学業にも課外活動にも大変に便利な施設となっております。

◎長万部キャンパスでの教養教育の充実。基礎工学部の教養教育の場から、全人格的教育の場を継続し、さらに国際化を、すなわち語学の軸を加えたキャンパスとして変身する計画です。それは経営学部の学科かコースで国際経営を学ぶ学生の1年時の教養教育として、それと理工学部に留学生向けの国際コースを設置し、日本語での科学教育、物理、化学、生物実験その他の教養科目を履修し、関門をクリアするチカラを付ける教養教育です。

学部・学科の再編計画は、当然、普遍的なものは継続して、社会の要請に応えるべきものは変革するという方針のもと策定し、150周年、200周年を視野に入れ、大学のさらなる飛躍につなげてまいりたいと思います。

具体的な計画立案に際しては、学部・学科の再編計画とセットで校舎の建設計画、併せて財務に過度の負担のかからない投資計画をまとめており、概ね10年後までのロードマップを策定しております。

*キャンパスライフの質的向上のために
学生への支援も欠かせません。そこで本学では、新年茶話会でもお伝えしたとおり、2018年度入学生より、二つの新しい給付型の奨学金制度を創設しました。

“新生のいぶき奨学金”は優秀な学生に対して経済的支援を行うことを目的とした制度です。“乾坤の真理奨学金”は入学試験の成績が特に優秀である学生に対して、学業の伸長を奨励することを目的とした制度になります。

*リカレント教育の充実
最後に、リカレント教育の充実についてご紹介します。政府の進める「人生100年時代」においても、“絶えず学び直しを通じたアップデートや新たなスキルの獲得が必要不可欠”とされていることを受け、従来の生涯学習センターを「社会人教育センター」として改組し、センターの下に「TUSオープンカレッジ」を設立しました。「オープンカレッジ」では、社会人として有用な知識や技術をアップデート、またブラッシュアップできる教育の場を提供します。

また、社会人を対象とした編入学制夜間主コースの設置を予定しています。具体的には、工学部建築学科に、社会人を対象とした編入学制の夜間主コース枠(20名)を設置します。工学部は葛飾キャンパスにありますが、社会人が履修しやすいよう、講義は神楽坂で行います。次に、履修単位数課金制を導入した社会人対象コースの設置(理学部第二部)等を計画しています。理学部第二部は夜間部ですが大学院進学率が26.7%、昼間部と遜色ない充実した教育を実施しています。しかしながら働きながら学ぶ社会人が多いという学部の特性に対応するため、履修単位数課金制を導入することで、卒業までに必要な授業料は一定となりますので、仕事の状況に左右されることなく、社会人として安心して学ぶことができる環境を形成します。

3.最後に

このように、これからも改革の手を弛めることなく、TUSVision 150のテーマである“世界の理科大”実現に向けて段階を踏んで努力してまいりますので、理窓会の皆様におかれても、母校東京理科大学のさらなる発展のため、ご理解をいただくと共に、引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。

ご清聴ありがとうございました。

以上

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