「100年に一度の大変革期」を意識して-東京理科大学 理窓会 会長 増渕 忠行

新元号が令和となり、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は台風や豪雨で多くの方が被災され大変な年でしたが今年は平穏な年になって欲しいと願いながら新年を迎えました。
被害が広範囲に及んだ台風19号では、想定外という言葉がよく出てきましたが私たちも身近なところで何が起こるかを推測し、天災・人災に備えましょう。

100年に一度の大変革期

昨年秋、広島支部総会に伺った時、講演者の「現在は100年に一度の大変革期」と考え行動せねばならない、との言葉が強く耳に残りました。内閣府では「Society5.0で実現する社会」を推奨し、母校では全学生にデータサイエンス教育を始めております。

理窓会会長に就任し、1年と4分の3が過ぎ

特に注力したことは個人情報管理の強化と予算管理を徹底し、いかに活性化するかです。個人情報保護法の制限と組織の活性化の間にはシーソーのような一見相反する力が作用していると思います。部分最適でなく全体最適の観点から考え行動したいものです。

私は工業化社会に生まれ育ちましたが、30歳を過ぎた頃から情報化社会に突入しました。そして現在では超スマート社会に移ろうとしており、指数関数的なスピードで変化しています。時代に適応した情報管理体制をしっかり構築し活性化する、重い課題ですが大学の情報管理部門と連携し、一歩一歩前進しています。

予算管理について皆さんに改めて理解していただきたいと思います。収入の大半を入学時に大学に代理徴収していただいている「前受け15年会費」に頼っています。卒業生の皆さんには会誌﹃理窓﹄などを通し年会費納入をお願いしています。支出の面では、大きな比率を占めていた会誌『理窓』の編集・発送費用とホームカミングデーの開催を可能な限り「手づくり」とし、費用削減を図っています。

削減した費用の一部を支部の活性化などに生かしたいです。「既得権益」を主張する個人や団体等がありますが、限られた予算の中で収支バランスとお金の出どころを考え、受益者負担も忘れないようにしたいものです。できる限りこまめに説明しご理解を得たいと考えています。2020年は新たな改革の年にいたします。

大村智先生の故郷を訪ね、新たに学んだこと

昨年9月、大村先生を訪ねました。本誌の2、3頁にその様子の一部を紹介させていただきました。大村先生は旧居を「蛍雪寮」と名付け、地元などに開放されていますが、先生が造られた韮崎大村美術館、温泉、そば処など大村先生の温かく深いお心で迎えていただき感動いたしました。地元を愛し「私は韮崎市の観光係長です」と気さくに私たちを迎えてくださいました。

先生の著書『ストックホルムへの廻り道 私の履歴書』や当日いただきました資料を拝見しますと、先生の研究業績のほか北里研究所の経営、女子美術大学での卒業生を大事に経営し、画家・彫刻家との交流を通して数々の美術品を集められたことを含め、ご自身の健康管理など「壮大な大村ワールド」に近づくきっかけになりました。今後とも機会を見つけ、みなさんと大村先生の里を訪ね、新たな刺激を受けたいです。

澤先生の教え

理科大を卒業し52年になります。この間何人もの先輩に可愛がっていただきましたが、特に澤芳昭先生(長く理科大の常務理事や理窓会の常務委員を務められました)から教えていただいたことが、今日私が母校・東京理科大学を考えるときの力になっています。「変えてはならないこと、変えなければならないこと、変えたほうが良さそうなこと」を、TPOを念頭に置き、「現場の隅々まで大切になされた澤先生だったらどうされるのかな」と考え行動しています。東京理科大学の卒業生であることに誇りを持ち、100年に一度の大変革期に、時代の変化に乗り遅れないようにしましょう。ご理解ご協力をお願いし、新年のご挨拶といたします。

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