「世界の理科大」の実現、「愛校心、誇りを抱ける大学」を目指してー学校法人東京理科大学 理事長 浜本 隆之

理窓会の皆様におかれましては、健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
昨年4月に新たな理事会が発足いたしました。私たち理事会の使命は、本学が創設150周年を迎える2031年、更にその先の将来にわたり、社会に貢献し必要とされる大学であり続けるため、学生、教職員等の構成員の“学び”と“教育研究”に魅力ある環境を充実させることです。
今期の理事会の活動を開始するにあたり、まず本学が目指す大学像を改めて定義いたしました。第一に、教育と研究の理科大をさらに発展させ、国内でのポジションを確かなものとした上で、「世界の理科大」の実現を目指します。
第二に、学生、教職員、同窓生等、本学の関係者全てがより一層の「愛校心、誇りを抱ける大学」を目指します。この、本学が目指す大学像に向けて取り組むべき主な課題を、以下のとおり整理しました。

【取り組むべき主な課題】
①教育研究力の向上
•理科大の看板となり得る教育研究の重点的な推進
•高度な教育研究を具現化するための支援体制の充実
②国際化の推進
•学部や大学院の留学生の受け入れ促進
③優秀な学生の確保
•入試制度の改革と高大連携の推進
④在学生への支援の強化
•学習意欲のある学生の学業継続を支援する奨学金制   度の充実
•在学生の満足度向上に資するキャンパスアメニティの充実
⑤キャンパスの整備、再構築
•中長期の整備計画の策定
•スマートキャンパスの実現(DX化の推進)
⑥ブランディングの強化
•140周年記念事業の遂行
•リカレント教育の充実(“学び直し”、“働きながら学ぶ”、 “生涯学ぶ”への対応)
⑦同窓生との協働
•同窓生に関する情報収集の強化
•同窓生、理窓会との連携の強化

教育研究、学生支援、ブランディングの強化など、解決すべき課題は多岐にわたっています。また、皆様もご案内のとおり、大学を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、本邦屈指の理工系総合大学として確固たる地位を築いている本学にとりましても、その道のりは決して容易ではありません。
一連の課題を解決し、大学改革を強力に推進するべく、この1月から、東京大学で理事・副学長・研究科長といった数々の要職を歴任されてきた石川正俊先生を学長としてお迎えいたしました。石川学長は、システム情報学の分野で長年にわたって多くの研究業績を上げられてきた高名な研究者です。また、国内外の学会の要職も数多く務められ、組織運営に係る豊富な経験をお持ちです。これから、教育や研究面で本学を力強く牽引していただけるものと大いに期待しております。今後も、新たな学長室と私たち理事会でしっかりとタッグを組み、前述の課題を解決するための施策を策定、実行することにより、さらなる大学の発展を確実なものとして参る所存です。
昨年は本学が1881年に「東京物理学講習所」として創設されてから140周年の節目にあたる記念の年でしたが、コロナ禍により、対面形式の式典もできませんでした。本学はこのような厳しい局面においても停滞することなく着実に歩みを進めており、2031年に迎える創立150周年、更にその先の未来を見据えて、新たなフェーズに移っております。現在、我々は中期計画2026を策定しているところですが、そこに示された5年後の本学の姿の実現に向けて積極的に活動して参りますので、今後もますます本学の活動にご期待くださるようお願い申し上げます。
本学が目指す姿として掲げた、「愛校心、誇りを抱ける大学」については、理窓会との協力体制が大きな土台となりますので、150周年に向けて協働して進められればと存じます。
皆様の母校である東京理科大学が、“世界の理科大”を実現し、よりよい未来の実現に一層の貢献をするべく、理事会、学長室、教職員で一丸となって努力してまいりますので、同窓の皆様におかれましても、一層のご理解とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
末筆ながら皆様のご健康とご多幸を祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。

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